ROUTE 2 — 7つの路線
エンジニア職種図鑑
「エンジニア」とひとことで言っても、仕事の中身は職種によってまったく違います。家づくりに大工さん・設計士・電気屋さんがいるように、システム開発にも専門の分かれた7つの「路線」があります。気になる職種から読んでみてください。
まずは1枚の絵で。「家づくり」でみる7つの職種
1軒の家ができるまでには、いろいろな専門家が関わります。システム開発の職種も、実はこの絵とそっくりの分担になっています。番号の場所が、それぞれの職種の「持ち場」です。
WebデザイナーWeb Designer
「見た目」と「使いやすさ」を設計する人。
主な仕事
- 画面のレイアウト・配色・文字の大きさを決める
- ボタンの位置や操作の流れなど「使いやすさ」を設計する
- ロゴ・アイコン・イラストなどの素材を作る
- 完成イメージ(デザインカンプ)を作ってチームに共有する
家づくりでいうと
内装・外観のデザイナー。壁紙の色、照明の明るさ、動線(キッチンからお風呂までの歩きやすさ)を考える人です。「きれい」だけでなく「暮らしやすい」を作るのが腕の見せどころ。
よく使う道具
- Figma
- Photoshop
- Illustrator
- デザインガイドライン
こんな人に向いている
「なぜこのアプリは使いやすいんだろう」と考えるのが好きな人。美しさへのこだわりと、使う人の気持ちを想像する力の両方が活きます。
フロントエンドエンジニアFront-end Engineer
利用者の目に見える部分を、プログラムで動かす人。
主な仕事
- デザイナーの作った画面デザインを、実際に動くWebページにする
- ボタンを押したときの動き、画面の切り替わりを作る
- スマホでもパソコンでも崩れない画面にする
- 表示の速さを改善する
家づくりでいうと
内装の仕上げ職人。デザイナーの図面どおりに壁紙を貼り、建具を取り付け、スイッチを押せば照明が付くところまで仕上げます。住む人が毎日直接触れる部分の担当です。
よく使う道具
- HTML / CSS
- JavaScript
- TypeScript
- React
- Vue.js
こんな人に向いている
作ったものがすぐ目に見える形になるのがうれしい人。デザインと技術の橋渡し役なので、両方に興味があるとなお楽しい職種です。
バックエンドエンジニアBack-end Engineer
画面の裏側で動く「仕組み」を作る人。
主な仕事
- 会員登録・ログイン・決済など、裏側の処理を作る
- データベース(情報の保管庫)の設計と読み書きを作る
- フロントエンドとデータをやりとりする窓口(API)を作る
- 個人情報などを守るセキュリティ対策を組み込む
家づくりでいうと
電気・水道・ガスの配管職人。壁の中に隠れていて住む人からは見えませんが、蛇口をひねれば水が出るのはこの人たちのおかげ。見えない部分こそ、家の住み心地を決めます。
よく使う道具
- Python
- Java
- PHP
- Ruby
- Go
- SQL
こんな人に向いている
目立たなくても、仕組みを考えて着実に動くものを作るのが好きな人。パズルや段取りを考えるのが得意な人に向いています。
インフラエンジニアInfrastructure Engineer
システムが動き続けるための「土台」を支える人。
主な仕事
- プログラムを動かすサーバー(高性能なコンピューター)を用意する
- ネットワーク(通信の道路)を設計・整備する
- アクセスが集中しても止まらない仕組みを作る
- 24時間の監視体制を整え、障害が起きたら復旧させる
家づくりでいうと
土地の造成と基礎工事の職人。どんなに立派な家も、地盤が弱ければ傾きます。さらに電気や水道を「絶対に止めない」ライフラインの管理人でもあります。
よく使う道具
- AWS
- Google Cloud
- Linux
- Docker
- 監視ツール
こんな人に向いている
「何も起きていない」ことに価値を感じられる人。縁の下の力持ちタイプで、いざというとき冷静に対処できる人が頼りにされます。
QAエンジニアQA (Quality Assurance) Engineer
利用者の手に届く前に、品質を守り抜く人。
主な仕事
- 「どこをどう確認すべきか」のテスト計画を立てる
- 普通の操作も意地悪な操作も試して、不具合(バグ)を見つける
- 見つけた不具合を記録し、開発チームに報告する
- 同じ確認を自動で繰り返すプログラム(自動テスト)を作る
家づくりでいうと
建築検査官。ドアを100回開け閉めし、大雨の日を想定して水をかけ、引き渡し前にあらゆる問題を見つけ出します。「検査で見つかる不具合」は、住んでから見つかるより何倍もありがたいのです。
よく使う道具
- テスト設計書
- Selenium
- Playwright
- 不具合管理ツール
こんな人に向いている
細かいことによく気づく人、「もしこうしたら壊れるんじゃない?」と意地悪な発想ができる人。その細かさがサービスの信頼を守ります。
データアナリストData Analyst
数字から「次の一手」の判断材料を作る人。
主な仕事
- 「どのボタンがよく押されているか」など利用データを集計・分析する
- グラフやダッシュボード(数字の一覧画面)で誰にでも見える形にする
- 「この機能をやめると売上が落ちる」など、データで判断を支える
- 新機能の効果を数字で検証する
家づくりでいうと
住み心地の調査員。「リビングの電気代が高いのは窓の断熱が原因」と突き止めて、次のリフォーム計画に活かす人。感覚ではなく記録で語ります。
よく使う道具
- SQL
- Excel / スプレッドシート
- Python
- BIツール(Tableauなど)
こんな人に向いている
数字やグラフを眺めて「なぜ?」を考えるのが好きな人。分析結果を人に説明する仕事でもあるので、伝える力も同じくらい大切です。
プロジェクトマネージャーProject Manager (PM)
全員の力をひとつにまとめる、開発の進行役。
主な仕事
- スケジュール・予算・人員の計画を立てて管理する
- お客さまとチームの間に立って、要望と現実を調整する
- 問題が起きたら優先順位を決めて、進む道を判断する
- チームの困りごとを取り除き、全体を前に進める
家づくりでいうと
現場監督。自分では釘を打ちませんが、職人さんたちの段取りを整え、施主さんとの打ち合わせをこなし、工期と予算を守って家を完成に導きます。
よく使う道具
- スケジュール表
- タスク管理ツール(Jiraなど)
- Slack
- 議事録
こんな人に向いている
人と話すのが好きで、段取りや調整が得意な人。技術の細部より「全体をどう前に進めるか」を考えることにやりがいを感じるタイプです。
どの職種が、どの工程に乗っている?
「開発の流れ」の6つの駅と、7つの職種の関わりを一枚にまとめました。●は中心となって動く工程、○は協力して関わる工程です。
| 職種 | 要件定義 | 設計 | 開発 | テスト | リリース | 運用・保守 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| プロジェクトマネージャー | ● | ● | ○ | ○ | ● | ○ |
| Webデザイナー | ○ | ● | ○ | ○ | ○ | |
| フロントエンド | ○ | ● | ○ | ○ | ○ | |
| バックエンド | ● | ● | ○ | ○ | ○ | |
| インフラ | ● | ○ | ○ | ● | ● | |
| QA | ○ | ○ | ● | ● | ○ | |
| データアナリスト | ○ | ○ | ● |
職種のこと、もう少し深く知りたい人へ
就職・転職を考えはじめた人向けの読みものです。